【再々登場!マーロウ矢木編!!】『相棒22』 第6話「名探偵と眠り姫」ネタバレあらすじ　感想＆見どころ

1人の探偵が、ホテルの会場からこっそりと、ある女性を逃がしている・・。

<情報提供>

特命係の杉下右京宛に、情報提供があった。
内容は、「眠り姫事件の犯人は殺された。解明されたし」というものだった。
眠り姫事件というのは、17年前、老舗デパート蔵本屋の孫娘が誘拐された事件のこと。被害者の孫娘は、睡眠薬で眠らされていたため、「眠り姫誘拐事件」と呼ばれ注目された事件だった。

<里沙の失踪>

杉下と亀山は、蔵本屋の娘・里沙と、老舗和菓子屋「黒崎堂」の息子・黒崎潤也の婚約パーティーが開かれるホテルへ向かう。
そこでは、蔵本社長と家政婦の瀬戸路子が何やら慌てた様子で話をしていた。
杉下と亀山は、その話の中に、「また誘拐だったら・・」という言葉を耳にする。

里沙は、黒崎潤也との婚約発表の直前に、姿を消したらしい。
里沙とは、17年前の眠り姫事件の被害者の少女である。
里沙は、姿を消した後、父親である慎吾に、いなくなったことを詫び、自分は大丈夫だと電話連絡してきたと言う。

<里沙の行方>

杉下は、里沙には協力者がいたのではないかと考え、会場で足取りをたどる。
たどった足取りから、防犯カメラの映像を確認すると、里沙の横に、一人の男性の姿が確認できた。
ハットをかぶり、トレンチコートを着たその男性の姿に、杉下と亀山は見覚えがあった。

<マーロウ矢木>

杉下と亀山は、防犯カメラに映っていた男は、マーロウ矢木だろうと考えた。
マーロウ矢木とは、私立探偵で、以前事件で関わっており、面識がある。
杉下と亀山は、マーロウ矢木の事務所に向かう。

マーロウ矢木に防犯カメラの映像を見せるが、彼は、里沙と一緒にいたことを認めない。
しかし、事務所の机の上には、ホテルの館内図が置いてあり、映像の男はマーロウ矢木で間違いはないと考えられる。
杉下と亀山は、いったん事務所を出て、その後、外出に出た矢木を尾行するが、失敗してしまった。

マーロウ矢木は外出後、食事を持って、事務所に戻ってきていた。
そして、事務所の中にある本棚を操作。隠し部屋が現れ、中には里沙が待機していた。

<眠り姫事件>

杉下と亀山は、特命係の一室で、17年前の眠り姫事件の詳細を確認する。
当時5歳の里沙は、バレエ教室の帰りに連れ去られた。
犯人は、蔵本屋の元従業員の水田仁という男で、運転手に扮して里沙を連れ去っている。
そして、睡眠薬入りのジュースを飲ませ、廃ビルに監禁。その後、バレエ教室に里沙を迎えに行った家政婦の瀬戸が異変に気付き、警察に通報してした。
里沙を救出したのは、本物の運転手である今井慎吾。慎吾は、瀬戸から連絡を受けた後、自力で廃ビルを見つけだし、里沙を助け出した。
その後、現場に駆け付けた警察により、犯人である水田が投身自殺をしているのが発見された。
遺体のそばに、身代金要求書が落ちていたので、誘拐犯と断定された。
写真を確認すると、身代金要求書は何やら汚れが付着している。
その後、里沙を助け出した今井慎吾は、当時シングルマザーだった里沙の母親と結婚し、蔵本慎吾となっている。

<婚約発表前の里沙の様子>

杉下と亀山は、蔵本家を訪れ、家政婦の瀬戸から話を聞くことに。
瀬戸によると、里沙は、事件後に外出を怖がって家にこもりがちになったと言う。
さらに、父親である慎吾にも話を聞くと、縁談は里沙の祖父である蔵本社長の意向であるとわかる。
里沙本人の意思は尊重したが、縁談が決まれば、慎吾が社長になることが決まっていたので、そのせいで無理をさせたのかもしれないと、慎吾は考えていた。
また、里沙は、1週間前に、黒崎堂に婚約のあいさつに行ったときに、体調を崩していたということもわかった。
そして、杉下は、慎吾にマーロウ矢木の写真を見せるが、慎吾は知らないと答える。
杉下は、話を聞きながら、棚に置いてあるウイスキーのグラスに目を付けていた。

<誘拐犯・水田>

杉下と亀山は、水田仁を知る人物にも話を聞くことができた。水田は元々、倉庫係だったが、事故で右腕が上がらないということで営業に回って来たらしい。さらに、事件の2日前に、マーロウ矢木らしき男が水田を訪ねてきたことがわかる。

<マーロウ矢木の襲撃>

矢木が何者かに襲われた。
病院で目が覚めた矢木の前には、捜査一課の3人と、杉下、そしてサラリーマンに扮した亀山がいた。

亀山は、実は変装して矢木の後を尾行しており、矢木は、亀山の前で襲われていた。
杉下は、矢木に今回の騒動と17年前の誘拐事件の関係などを尋ねるが、矢木はやはり答えてくれない。

<メモ>

亀山が尾行中に見た矢木は、メモを持って待ち合わせ場所に向かっていたという。

杉下と亀山は、鑑識に行って、矢木のハットの中からメモを見つける。
メモには、「17年前の父親の罪をバラされたくなければ、一人でこの場所に来い」と書かれていた。

<マーロウ矢木と慎吾>

杉下と亀山は、とあるバーにマーロウ矢木と慎吾を呼び出す。
杉下は、慎吾の家で見たウイスキーグラスからこのお店にたどりついた。
マスターに確認すると、矢木と慎吾は、昔からこのお店の常連客だったことがわかる。

17年前、矢木と慎吾は、このバーで話をするうちに親しくなった。
しかし、実は、マーロウ矢木は、蔵本社長から慎吾の身辺調査を頼まれ、慎吾に近づいたのだった。
慎吾は、うすうすそのことには気づいていたが、それ以上に矢木との時間を楽しんでいた。
ちょうどその頃、水田が慎吾の前に現れる。
水田は、「里沙の母親と別れた元夫が、里沙を取り戻そうとしており、そのことを社長が心配している」と、慎吾に言ってきた。
そして、里沙に護衛をつけるから、里沙の生活パターンを教えてくれと頼んできたのだった。矢木は、その言葉を信じ、里沙についての情報を水田に報告。その後、誘拐事件が起こってしまった。
水田の罠だったことに気づいた慎吾は、矢木に連絡。自分のことを調べていた矢木なら、水田のことも知っているのではないかと考えたからだ。
そして、矢木の情報から廃ビルを見つけ出し、里沙を救出することに成功した。
慎吾は、里沙を助け出すときに、犯人から廃材を投げつけられている。
慎吾は、自分のせいで里沙を危ない目にあわせてしまったことをずっと悔やんでいた。
里沙に真実を話そうかとも思ったが、どうしてもできなかった。
そこに、里沙宛に「父親の秘密を公表されたくなければ婚約を中止しろ」という脅迫メールが届いた。
里沙は慎吾に言い、それを聞いた慎吾が矢木に連絡し、矢木がパーティー直前に里沙を逃がした。
これが里沙の失踪の全貌だった。

水田は右腕が上がらないはずだった。
そのため、慎吾に廃材を投げつけたのは、水田ではなく、別の人物だということになる。

<里沙の記憶>

マーロウ矢木は、杉下と亀山を里沙がいる秘密の部屋に案内する。
里沙に話を聞いていみると、誘拐犯ともう一人の人物が言い争うような声を思い出した感じがすると言った。
記憶を思い出したきっかけについて聞くと、よくわからないが、黒崎堂に行った時だと、里沙は答えた。

<ヨモギの香り>

杉下と亀山は、黒崎堂を訪れる。
亀山は、ヨモギを煮ている時に独特の香りがすると感じていた。
里沙が来た時もヨモギを煮ていたらしい。
それを聞いた杉下は、全てがつながったと確信する。

<誘拐事件の真相>

嗅覚は、人間の五感の中でも、最も記憶と結びつきやすいと言われている。
里沙は、ヨモギを煮ているときに嗅いだ匂いで、事件当時の記憶がよみがえったのだ。
黒崎堂のヨモギには、ハーブが混ぜられており、独特な香りがする。
そして、17年前の事件の身代金要求書についていた汚れからは、ヨモギの成分が検出された。
老舗和菓子屋「黒崎堂」の社長・黒崎弘はそのことを聞き、顔を強張らせる。

17年前、黒崎堂は、蔵本屋に取引を大幅に減らされ、厳しい状況にあった。
また、水田も蔵本屋を解雇されており、蔵本屋を恨んでいた。
恨みを持つ2人は、誘拐を決行。しかし、現場でもめ、黒崎社長は、水田を殺害した。

黒崎弘は、里沙が気分が悪くなった時、里沙が事件のことを思い出しそうになっていると考えた。そこで、婚約を破棄させるために脅迫メールを送ったのだ。

店を守るためだったと黒崎社長は叫んだ。
杉下は、「そんなものが人を殺していい理由にはならない。人を傷つけてまで守るものなどない！」と、厳しく言い放った。

特命係に情報提供を送ったのは、里沙だった。幼い頃、父親から聞いていた「警視庁の名探偵」へ、わずかな希望をかけての行動だった。