【都市伝説に隠れた真実とは？】相棒21 第9話「丑三つのキョウコ」ネタバレあらすじ　見どころ＆感想「パンチがきいてる相棒だー！！」

「丑三つ時、白いコートのキョウコに会ったら最後、心臓をえぐり取られる・・！」

杉下と亀山は、小料理屋「こてまり」で女将と美和子からこんなうわさ話を聞く。
この話は“丑三つのキョウコ”と呼ばれ、SNSでは動画も拡散されており、世間でかなり話題になっている。
よくある都市伝説のような噂について、亀山は信じていないが、杉下は興味ある様子を見せていた。

<事件発生>

フリースクールの代表を務める男性が刺殺体で見つかる。男性の名前は河上昌也。遺体からは紙切れが見つかっている。
遺体発見現場の近くで、”丑三つのキョウコ”が目撃された動画がアップされているのが見つかる。

<動画撮影者への聴取>

遺体発見現場近くで撮影された動画をアップしたのは、アカウント名「ウォーキング大好きマン」という男性だった。ウォーキング途中にたまたま取れた動画だったらしい。
ウォーキング大好きマンは、丑三つのキョウコ以外に特にだれも目撃しているわけではなく、遺体があることも知らなかったらしい。

<sashimiへの聞き込み>

特命係はウォーキング大好きマンがアップした動画を見ていた。そして杉下は、コメント欄にアカウント名「sashimi」という人物が、「この動画はニセモノだ！」という否定的なコメントを多く残していることに気づく。
杉下はsashimiという人物に会いに行くことに。

待ち合わせ現場には男性が立っていた。
「あなたがsashimiさんですか？」
杉下が尋ねると、男は
「私も彼にDMを送ったものです。」
と答えてくれた。
男の名前は大村啓太郎。都市伝説について調べている社会心理学者だという。
杉下と大村が都市伝説について話をしていると、sashimだと名乗る人物が現れた。本名は松田綾人というらしい。
杉下が動画に否定的なコメントをつけていることについて尋ねると、自分が同じ時刻に全く別の場所でキョウコを見たからだと教えてくれた。
松田はその時に撮影した動画も見せてくれた。しかもキョウコの胸には血がべったりとついていたらしい。

亀山の捜査により、殺された河上昌也が運営していたフリースクールは、かなりひどいやり方でスクール活動をしていたことがわかる。
河上はまず、引きこもりで困っている家族に自ら会いに行き、強引に子どもを部屋から引きずり出す。
そして寮とは名ばかりの部屋に、ほぼ監禁状態にする。
さらに家族には高額な料金を請求し、お金を受け取ると子どもを放り出すというやり方を行っていた。
子どもはその後、以前よりもひどい状態で自宅に帰ってくる。同じような目にあった人は何人もいたらしい。

<青山加奈>

杉下と亀山は、美和子からフリースクールに通っていた子供たちの写真を見せてもらう。そこに映っていた青山加奈という人物は、丑三つのキョウコによく似た雰囲気である。
杉下と亀山は青山加奈に会いに行ってみることに。

2人は、青山加奈の自宅で足立という人物に出会う。
足立は高校時代の加奈の担任先生だということだ。引きこもってしまった加奈のお世話で、食べ物や日用品を週に3回届けていると教えてくれた。
足立は、かなりたくさんの荷物が入った段ボールに、加奈の母親からの手紙だという封筒を添えて部屋に置いていた。
現在、加奈は27歳。どうして高校時代の先生が、なぜ今でも加奈を気にかけているのか尋ねると、足立は「自分のせいで加奈は引きこもりになった」と答えた。

<加奈の引きこもりの原因>

足立は加奈が所属していた体操部の顧問もしていた。
加奈は全国大会への出場をかけた試合に、足を怪我した状態で出場することに。そして転倒してしまうという悲しい結果に終わってしまう。
足を怪我していたことを知らなかった足立は、「ダメだったのは加奈に集中力がなかったからだ」と厳しく責めてしまった。
加奈はその後、誰からの呼びかけにも応じなくなってしまう。
そして足立は、フリースクールを紹介し、加奈はフリースクールに通うことになった。しかし、帰ってきた時には以前よりもひどい状態になってしまったのだ。

<加奈の動き>

丑三つ時、加奈は長い髪をたらし、白いコートを着て部屋から抜け出した。“丑三つのキョウコ”の格好とそっくりだ。
杉下と亀山は、それを気づかれたないように尾行する。
杉下は、加奈の自宅を訪ねた時に、加奈の部屋の外の様子を見て、簡単に外へ出られそうだと推測。そのことから「深夜に抜け出しているのでは？」と考えていたのだ。
“丑三つのキョウコ”の格好で歩く加奈を見守る特命係。しかし、加奈は、歩いただけでそのまま自宅に帰って行ってしまった。

<新たな殺人事件>

翌日、新たな刺殺体が発見される。
殺されたのは社会心理学者の大村啓太郎だった。死亡推定時刻はまた丑三つ時。さらに今回は、丑三つのキョウコが被害者を殺害する決定的な瞬間が撮影された動画が投稿されていた。
投稿者はsashimi。
捜査一課は、すぐにsashimi(松田綾人)を事情聴取することに。
目の前で殺人が行われているのに声も出さず、ただ撮影しているだけだったsashimi。伊丹刑事はそんな行動を非難するが、松田は何の悪びれた様子もない。インパクトのある動画が撮れたことを喜んでいるようで、伊丹たちの取り調べに対してもバカにしたような態度だった。

<大石殺しの真犯人>

白いコートを着て長い髪のかつらをかぶった男が、夜中にスマホを使って撮影をしている。
男はsashimiこと松田綾人だった。

殺人の瞬間を撮ったsashimiの動画には、「捏造だ！」という否定的なコメントがついていた。それを見て松田は、また新たに“丑三つのキョウコ”の動画を撮ろうとしていたのだ。
しかし、そのコメントは、松田にこの行動を起こさせようとする目的で特命係が書いたものだった。
大村を殺したのは松田。
大村と松田は以前からの知り合いで、大石は社会心理学者ではなく、情報伝達について研究している人物だった。
松田は動画をバズらせるために、そして大石は情報伝達の研究をするために、松田の自作自演に協力していたのだ。
松田が自作自演の丑三つのキョウコを始めたのは、実際にキョウコを見たからだという。

大石を殺したのは、大石が協力するのをやめると言い出したからだという。カッとなって刺し殺した後に、動画を回していればよかったと思い、キョウコの恰好をして、カメラを回した状態でもう一度刺したと供述した。

<河上殺しの真犯人>

杉下と亀山は加奈の自宅へ来ていた。加奈は、相変わらず部屋に呼びかけても応じない。
足立は申し訳なさそうにしていたが、杉下と亀山は、足立に確認したいことがあると言った。
杉下は足立が荷物が入った段ボールに添えていた手紙を取り出し開封。その便箋の切れ端が、遺体のそばにあった紙切れと一致した。

足立は加奈のことで責任を感じた足立は、河上からお金だけでも取り返そうと、河上に接触したのだ。
河上の元には加奈の母親から娘を思う手紙が何通も送られてきていた。河上はそんな手紙をバカにし、足立の目の前で手紙を破いたのだ。
あまりにもひどい考えと態度の河上と言い合いになり、もみ合いの結果、足立は、河上が持っていたナイフで河上を刺してしまっていた。
殺害後、足立は破かれた手紙を回収したが、破片が一つ取り残されていた。

<丑三つのキョウコ>

加奈は、足立が河上を殺害した様子を見ていた。足立が河上に会ってくると言っていたのを部屋から聞いて、心配になって部屋から出て見に来ていたのだ。
そして、警察の捜査を錯乱するために、“丑三つのキョウコ”として丑三つ時に歩き回るという行動をとっていた。

松田がキョウコを見たと言っていたのは半年前のこと。その日、加奈は母親のお墓参りに出かけていた。
誰にも見られないように真夜中に。お花を添えて手を合わせていた。
母親の葬儀にも出ていなかった加奈だったが、自分で部屋を出て母親が眠る元へ行っていたのだ。

“丑三つのキョウコ”の正体は、心に深い傷を負って部屋から出られなくなった女性が、大切な人のために一歩を踏み出していく姿だった。