【消えない憎しみ】『相棒21』 第14話「まばたきの叫び」ネタバレあらすじ　見どころ＆感想「演技に大絶賛の相棒だー！！」

亀山美和子は、取材のために柳沼勝治の自宅を訪れていた。
呼び鈴を鳴らしても応答がないため、ドアに手をかけてみる。鍵は開いていた。
気になって中へ入ってみると、人が刺されて倒れているのを発見。そして目出し帽をかぶった男が現れた。
美和子は頭を殴られ病院へと運ばれることになる・・。

<事件の概要>

柳沼邸で殺されていたのは、ホームヘルパーの町岡卓也という男性。結束バンドで縛り付けられ、室内は物色された跡があった。現在多発している連続強盗犯と同じ手口のよう。
捜査一課は連続強盗犯の線で捜査をすすめることに。

<柳沼勝治>

家の主人である柳沼勝治という男性は、15年前に通り魔事件を起こした犯人である。

15年前、3度目の大学受験に失敗した柳沼勝治は、自暴自棄になり、道を歩いている最中に、全く見ず知らずの女性を刺し殺した。
殺された女性の横には小さな子どもがいた。
柳沼が女性を刺した理由は「死刑になりたくて」。
反省した態度を見せることなく捕まり、裁判でも「あと2人ぐらい殺していればよかった」という始末。
懲役14年の罰則を受けた柳沼は獄中結婚し、服役後、脳卒中で倒れ寝たきりの状態で妻と暮らしている。

特命係の杉下と亀山は、柳沼勝治と妻・聖美に会いに柳沼邸を訪れる。
柳沼はしゃべれないが、意思伝達装置を使って会話をすることができた。
事件の話を一通り聞いた後、家の外壁に塗り直しの跡を見つけた杉下は、聖美に「落書きをされたのか」と尋ねる。
聖美は、窓ガラスが割られたり植木鉢を壊されたりする嫌がらせが続いているということを教えてくれた。
さらに亀山が、柳沼と獄中結婚した理由を尋ねてみた。
しかし聖美は、「殺人犯と結婚してはいけないのか？」と逆に問いただしきて、明確な理由は教えてくれなかった。

<15年前の被害者の息子>

杉下と亀山は、15年前に殺された被害者の息子に会っていた。
当時5歳だった佐竹良輔は、事件の事は覚えておらず、「犯人の事は何とも思っていない」と言う。
柳沼邸で事件があった昨日は、調子が悪く家で寝ていたらしい。

<ホームヘルパー・町岡>

次に杉下と亀山は、殺されたホームヘルパーの町岡が務めていた派遣会社を訪れる。
そこでは、町岡の代わりに洲本という男性が柳沼邸のヘルパーとして派遣されることが決定していた。
特命係が町岡の上司に町岡について尋ねると、最近お金に困っていたようだが、競馬で大穴が当たって100万円手に入ったらしいということがわかる。

<柳沼の妻・聖美>

美和子の独自の捜査により、15年前の被害者・佐竹綾と柳沼の妻・聖美に接点があったことがわかる。
聡美は母親の失踪により、小さな頃、親戚の家に預けられていた。
知り合いもおらず、一人ぼっちで寂しい思いをしていた聖美。そんな聖美のそばにいてくれたのが綾だった。
聖美と綾は仲良く、まるで本当の姉妹のようだったという。
しかし聖美は、その後また他の親戚の家に預けられるため、2人は離れ離れに。
綾はその後東京に出るが、柳沼に理不尽に殺されることにななる。

<ブザー音>

杉下と亀山は、再び柳沼邸に。
外でゴミを出している聖美に声をかけて、綾さんとの関係を尋ねるが、聖美は「知らない」と言う。
そこに家の中からブザー音が聴こえてきた。音は、柳沼が聖美やヘルパーを呼ぶ時にならすブザーの音だった。
特命係の2人が美和子に確認したところ、事件発生時、ブザー音は鳴っていなかったことが判明。
なぜ鳴らさなかったのかを柳沼に尋ねると「忘れていた」という答え。
そんな時、外から「放火されている！」という声が聞こえてきた。
どうやら、先ほど聖美が出したゴミに誰かが火をつけたらしい。
現場から去っていく怪しい人物を亀山が捕まえると、その人物は佐竹良輔だった。

<佐竹良輔>

柳沼邸への一連の嫌がらせは佐竹良輔によるものだった。
佐竹は犯人の事は「何とも思っていない」と言っていたが、全くそんなことはなく、柳沼に対してずっと怒りを募らせていたのだ。
佐竹によると、殺されたヘルパーの町岡は、「柳沼はそのうち殺される」と言っていたことがわかる。

<杉下の推理>

杉下は、佐竹の供述から殺された町岡は、何者からかの依頼で、柳沼を殺すつもりだったのではないかと推理。
さらにそこに共犯者がおり、裏切りにより殺されたのではないかと考えた。
連続強盗犯を追っていた捜査一課も強盗犯の線が白だとわかり、特命の捜査に協力することに。

<事件の真相>

柳沼邸では新しく来たヘルパーの洲本が、聖美が出かけるのを見送っていた。
聖美が出て行ったあと、洲本は柳沼に「今度こそちゃんと殺してやる」と声をかけ、人工呼吸器のチューブを外した。
そこへ特命係が聖美を連れて帰ってきた。
聖美はすぐに人工呼吸器のチューブを付け直した。

洲本は柳沼殺害の前金として100万円受け取っていた。
「話を聞かせてもらう」と亀山が洲本に詰め寄っていると、「はははは、また失敗か」と柳沼の自動音声装置が読み上げた。

洲本は町岡から、柳沼を殺害すれば2000万手に入るという話を持ち掛けられた。
洲本と町岡は、連続強盗犯に見せかけて柳沼殺害を実行しようと計画をたてる。
しかし、町岡が途中でやめようと言い始めてしまったため、洲本は町岡を殺したのだった。

そんな町岡と洲本に柳沼殺害を依頼したのは、柳沼勝治本人だった。
柳沼は死にたくても自分で死ねないので、人に頼んで殺してもらおうと考えたのだ。

<聖美の思い>

特命係は事件の顛末を聖美に話していた。聖美も柳沼との結婚について特命係に話してくれた。

聖美が柳沼と結婚したのは、復讐のため。
聖美は15年前の綾が殺された日、綾と会う約束をしていた。
しかし約束の時間に遅刻してしまい、待ち合わせ場所に着いた時には綾は柳沼に刺されて殺されていた。
自分が時間通りに着いていたら綾は殺されずに済んだのに。そんな思いを聖美はずっと抱えていた。
綾への償いに、「犯人は自分の手で殺してやる」と誓い、獄中にいる柳沼に手紙を出し、結婚をしたのだった。
しかし、脳卒中で寝たきりになった柳沼は、聖美に「俺を殺せ」と言ってきた。
「なんて勝手なんだ！」と思った聖美は、今度は献身的に支え、いつか柳沼が生きる希望を見出した時に殺してやろうと考えたのだった。

涙を流しながら「どうやって許したらいいんだ」と訴える聖美に、特命係の2人は、「もうそろそろ自分を許してやってくれ」と、そして「人を殺すことで解決できることなどないんだ」と優しく声をかけた。