【ぼっち小学生を救う他人愛】『相棒21』 第12話「他人連れ」ネタバレあらすじ　見どころ＆感想「コンビ愛が素敵な相棒だー！！」

ある日、特命係の杉下と亀山が車に乗り込んだところ、小学生ぐらいの男の子から「お父さんが財布を落として帰れないから、車で家まで送ってほしい」と頼まれた。
男の子は武志という名前らしい。
父親と思われる男性は申し訳なさそうにしていたが、特命係の2人は困っている2人を家まで送り届けてあげた。
きちんとお礼が言える武志に好印象を持つが、杉下は2人を乗せた場所が子ども連れで行くような場所でもないので、多少の違和感を覚えていた。

<アパートの刺殺体>

同じ頃、アパートの一室で刺殺体が発見されたので捜査一課が捜査を行っていた。
被害者は、その部屋・201号室に住んでいる安田幹雄という男性。
隣人に話を聞こうとするが、隣の202号室は現在、空き部屋となっている。

<被害者・安田幹雄>

安田は以前、半ぐれグループにいた男だった。
しかしグループ内で権力があったというわけではなく、リーダーである中山という男の使いっパシリのような存在だったということが角田課長からの情報でわかる。
中山は押し込み強盗で5000万という大金を奪って逮捕された男だが、逮捕時には1円も残っていなかったらしい。
安田もその時に共犯で逮捕されたが、証拠不十分で不起訴になっていた。
そして、逮捕された中山は、3週間前に刑務所内で急性心不全で亡くなっている。

安田が殺されたアパートの住人からは、子連れの男が逃げていくのが目撃されている。特命係は、例の親子を車に乗せたのは現場の近くだったことを思いだす・・。

<203号室の住人>

子連れの男を見たという住人は、203号室に住んでいる岡村と言う男性。特命係は岡村に話を聞きに行くことにした。
岡村は普段の仕事が夜勤のため、その時は寝ていたが、201号室で大きな音がして目が覚めたらしい。そして外を見てみると、男が子どもを連れて逃げていく姿が見えたということだった。
子どもの上着は赤色だったらしく、特命係が車に乗せた男の子と一致する。
話を聞きながら杉下は部屋の様子を見ていたが、猫柄のエコバッグや岡村の仕事着と思われる上着が目に入った。

<車に乗せた親子>

特命係の2人は、車に乗せた親子の元へ話を聞きに行く。
事件について何か知らないかを尋ねてみると「知らない」という答えが返ってきた。
さらに、落としたと言っていた財布は見つかったのかも尋ねてみると、「まだ見つかっていない」ということだった。
杉下と亀山は男に「遺失届を出すから」と、書類に名前と住所、そして職場の名前と住所と電話番号も書かせてその場を後にした。

父親と思われる男性の名前は南野浩一。
親子と言っている南野と武志だが、親子というにはあまりに不自然すぎる。
杉下は南野の職場へ、そして亀山は親子を見張ることに。

<南野の職場>

南野の職場は、リフォーム会社だった。どうやら詐欺を疑われている会社らしい。
職場の人の話によると、南野には子どもはいないということがわかる。

<亀山の尾行>

亀山は南野と武志の動きを見張っていたが、尾行に気づかれてまかれてしまう。

<三雲亜紀の店>

亀山の尾行をまいた南野と武志は、三雲亜紀という女性が営むお店へ向かう。
南野は、元カノである亜紀に武志について「父親がトラブルに巻き込まれているのでなんとかしてやりたい。かくまってくれ」と頼む。
さらに「警察には言えない。調べることがあるから」と言って、武志を置いて出て行ってしまった。

<工藤宅>

杉下と亀山は、南野が営業で回っていた住宅地を巡っていた。
色々な家を回っている中で「工藤」という表札がかかった家にたどり着くが、インターホンに応答は無し。留守かなと思っていると、その家の隣に住む女性が2人の困った様子を見て声をかけてくれた。
その女性によると、その家には武志という名前の子どもがいるらしい。
そして父親と母親は離婚し、武志はそれ以来不登校になっているということも教えてくれた。
亀山が南野の写真を見せ、この男は知っているかと尋ねると、2～3日前からずっと工藤宅に来ていたということも教えてくれた。
女性によると、武志の父親は弁護士で、普段は仕事で忙しいためほとんど留守状態。家はいつも静まり返っていたらしい。
しかし、南野が来てからは武志の笑い声が聞こえてきていたという。

そんな話をしている時に、実は工藤宅の中には南野が潜んでいた。
窓の外に特命係の2人の姿が見えたので、南野は静かに開いていたカーテンを閉める。
しかし、外にいた亀山が、来た時にはカーテンは開いていたような気がすると気づき、特命係の2人は再び工藤宅に目を向ける。
自宅内に入ろうとしたところ、家の前の道路から女性の叫び声が。

驚いて道路に出てみると、自転車と接触して転倒した女性の姿があった。
カバンから散乱した荷物をまとめる杉下。
すると、その隙に、工藤宅から南野が逃走していくのが目に入った。
急いで追いかける亀山。
杉下はその姿を見送って、再び転倒した女性の方を振り返ったが、その隙に女性の姿は消えてしまっていた。
杉下と亀山は面識はないが、その女性は亜紀であり、南野を逃がすために芝居をしていたのだ。

<工藤弁護士の記録>

亀山も南野の追跡に失敗。2人は再び工藤宅に戻って、南野が何を調べていたのかを確認することに。
南野が調べていたと思われる部屋からは、中山についての記録が見つかる。
どうやら中山の弁護を担当していたのは武志の父である工藤だったよう。
記録のノートの端には破られた跡があった。その部分を南野が持って行ったと思われる。

亜紀は、お店で武志とご飯を食べながら、南野について話しをしていた。
武志は、南野とはすでに別れているんだと言う亜紀の話を聞きながら、自分の両親は顔も見たくないと言って別れたが、南野と亜紀は別れてからも仲良さそうだと感じていた。
そこへ顔を腫らした南野が帰ってきた。
南野は武志のために何もしてあげられなかったと悔いている。

<工藤弁護士の事務所>

工藤の弁護士事務所へ行くと、工藤とはもう4日も連絡がついていないということだった。
家に電話をしたが、息子の武志に「仕事でしばらく留守にするというメールが来た」と言われたという。
事務所のスタッフに安田の写真を見せると、この前事務所にやってきたと教えてくれた。
工藤弁護士は安田に、「金がなくなって残念だったな」と言っていたという。

<工藤弁護士>

特命係は工藤弁護士について話し合っていた。
かなりあくどいことをしていたと思われる工藤弁護士。中山が盗んだ5000万円は、工藤弁護士がパクったのではないかと推理。
安田もそれを疑い、事務所に乗り込んだが、上手くいかなかったので、その後、工藤弁護士を拉致してお金の場所を聞き出そうとしたのではないかと考えた。
そして、角田課長の情報により、中山のグループがたまり場にしている麻雀クラブに、南野が工藤の居場所を聞きに来たということがわかる。

<トランクルーム>

杉下は、工藤弁護士の事務所から持ってきた資料の中にあったトランクルームの契約書に目を付ける。契約したのは中山が獄中で死んだ3日後となっている。
トランクルームの中にあったトランクを開けてみるが中身は空だった。
監視カメラを確認すると、安田が殺される数時間前に、南野と武志の姿が映っていた。
しかし2人はお金を見て驚いてはいたが、中身はもとに戻している。
監視カメラをさらに確認すると、今朝、再び南野が一人で現れ、お金を持ちだしたことが確認できた。

<武志の拉致>

亜紀の家にいる武志の元に電話が入る。発信者はお父さんになっているが、電話の主は見知らぬ男。
男は「お父さんの友達なんだけど、お父さんに頼まれて君を迎えに行く。外に出てきて」と言ってきた。
武志が外に出ると男が待っていた。

南野のスマホに男から連絡が入る。
「武志と一緒にいるから例のものを持ってこい」
そういわれて亜紀に確認すると、武志がいなくなっていることがわかる。
南野は、「もう戻ってこれないかもしれない」と言い残し、武志のいる場所へ向かった。

<猫柄のエコバッグ>

特命係が亜紀のいるお店へ訪ねてきた。杉下は亜紀が転倒した芝居をしたときに、カバンから散乱した荷物の中にあった診察券で、亜紀の名前を確認していたのだ。

亜紀に南野についての経緯を聞きながら、杉下はお店に置いてあったエコバッグに目を付ける。そのエコバッグは、亜紀が南野と一緒に作ったというもので猫の柄をしていた。

<事件の真相>

お金を持って武志の元にたどり着いた南野。そこに刃物を持った男が2人を殺そうとしていた。
男の正体は、203号室に住んでいる岡村だった。
岡村は自分の部屋で、安田の部屋である201号室から聞こえてくる声を聞いていた。
201号室では安田が工藤弁護士を監禁し、5000万円のお金のありかを吐かせようとしていたのだ。
トランクルームにお金があることを知った安田は、工藤弁護士のスマホから息子である武志のスマホにトランクルームの鍵を持ってくるように指示。
そし、拘束した工藤弁護士を空き部屋である隣の202号室に移したのだ。
しかし、その隙に岡村は鍵を奪おうと思って安田の部屋へ入り込んでおり、安田は自室に戻ったときに、岡村によって殺害されたのだった。
そこへやってきたのが南野だった。
岡村は南野を殴って気絶させ、サイフを奪って自室へ戻る。そしてサイフの中に入っていたエコバッグや名刺を見つけて、南野の名前を知ったのだった。
杉下は亜紀のお店でエコバッグを見た時に、同じものが岡村の部屋もあったのを思い出し、同じく岡村の部屋にかけてあった上着から職場を特定し、そこから監禁場所として使われそうな場所を探り出し、この場所へたどり着いた。
逆上して刃物を持って向かってきた岡村を、亀山が自慢の体力で取り押さえた。

<南野と武志>

南野が武志と出会ったのは、訪問営業で工藤宅を訪れたのがきっかけだった。
親が帰ってこない家で一人ぼっちだった武志の姿に昔の自分の姿が重なり、南野は話を聞いてやったりご飯を食べさせてやりたいと思ったという。
杉下は、南野に警察に通報しなかった理由を尋ねた。
南野は、武志から「警察に言ったら、きっとお父さんは捕まってしまう。助けてほしい」と言われたからだと答えた。
南野は、いつの間にか武志の父親のようなつもりになっていたけど、自分には父親になる資格はないのに・・と亜紀との間に、以前子どもができたけど、自分のせいで諦めさせることになり、別れることにもなってしまったことを語る。
外では母親に引き取られていく武志が、笑顔で手を振っていた。
それを見つめる南野に、亀山は、武志が「一緒に喜んでくれる人はいたけど、一緒に怒ったり泣いたりしてくれる人はいなかった」と言っていたと声をかける。
そして杉下は、家で一人ぼっちだった武志君は、南野のような人を待っていたのではないかと言葉をかけた。
さらに、亜紀は転倒した演技の時にお腹をかばっていたという様子も伝えられる。
亜紀のお腹の中にはまだ南野の子どもがいるのだ。
南野は安産のお守りを持って、亜紀のお店へ向かう。