【ついつい読んじゃうイヤミス作】湊かなえ小説『カケラ』紹介 感想と見どころ 実写化についても

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小説

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気温も上がってお出かけ日和の日が増えてきましたが、家で漫画や本を読むのも楽しいですよね。

ここでは、私が最近読んだ湊かなえさんの小説『カケラ』を紹介します。

作品の基本的な情報に加えて、作品のテーマ、そして私が「ここがすごい!」と感じた見どころや感想をまとめました。

物語のネタバレはしていません。作品を知るきっかけとしてぜひ読んでみてください。




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小説『カケラ』はどんな作品?


  • 作品名:カケラ
  • 作者:湊かなえ
  • ジャンル:ミステリー
  • 刊行日:2020年5月
  • 出版社:集英社
  • 文庫の有無:あり


『カケラ』は、湊かなえさんによるミステリー小説です。

物語は、登場人物による話し型形式で、湊かなえさんの作品によく見られる特徴となっています。

湊かなえさんの作品の多くは、読んだ後に嫌な気分になるミステリー、通称・イヤミスと呼ばれています。『カケラ』もそのイヤミス感を味わうことができる作品です。

あらすじ

1人の少女が死んだ。その少女はたくさんのドーナツに囲まれて死んでいたという。

メディアでも人気の美容外科医・橘久乃は、少女と関わりがあった人物達からそれぞれ話を聞くことに。少女についてのたくさんの小さなカケラのような情報を結びつけながら、なぜ少女は死んでしまったのかという死の真相を突き止めていく。

【ついつい読んじゃうイヤミス作】湊かなえ小説『カケラ』のテーマは”見た目”

小説『カケラ』では、“見た目”についての考え方がテーマとなっていました。

人にとって見た目とはとても気を使いたいもの。「人は外見ではなく中身」というのも、もちろんあるのですが、やはり正直、外見がいい方が幸せだろうと考えます。

ただし、その”外見が良い”という基準は人それぞれ違います。

二重がかわいいという人もいるけど、一重がかわいいという人もいるでしょう。痩せている人に憧れる人もいますが、ぽっちゃりとしたかわいらしさを求める人もいるでしょう。

”見た目の良さ”というのは、「かわいいのはコレ!」と限定されるものではないはずです。しかし「可愛いのは二重」「キレイなのは細身」というように私たちの多くは固定概念を持ってしまっています。

価値観というのはひとそれぞれ。それをわかっていても自分の理想を押し付けてしまっている人はたくさんいるのではないでしょうか。自分の理想の押しつけは、他人の幸せを勝手に決めつけてしまうことにつながってしまいます。

私もその一人となっている可能性は十分にあるなと読み終わった後、考えてしまいました。

 

【ついつい読んじゃうイヤミス作】湊かなえ小説『カケラ』はここがすごい!

小説『カケラ』のすごいところは、“クセがあるところ”だと思います。

『カケラ』に限りませんが、湊かなえさんの作品はどれもちょっと普通ではない感じがあるんです。そこが読む側にとって面白いと感じる部分となっています。

小説『カケラ』は、特にこのクセ部分がいい感じに強くて「すごいなぁ」と感じました。「ここがすごい!」と感じるクセ部分を詳しく紹介します。

 

いつもの湊かなえワールド

湊かなえさん作品には決して珍しくないのですが、一つの事柄についてあらゆる方向からアプローチする形がすごいなと思いました。

小説『カケラ』は、一人の人物が話をしていく形式の作りです。相手と会話しているような感じですが、2人の会話がそのまま書かれているのではなく、片方の人物の言葉だけが文章になっています。湊かなえさんの作品によくあるやつですね。

会話口調なので、小説によく出てくるような難しい言い回しは出てきません。しかし、女性の会話によくあるように、話があちらこちらに飛んだりするので読みやすいかと言われればそういうわけでもありません。

そんな湊かなえワールド感に、毎度のことながらハマってしまいます。

よくわからないままに始まって、よくわからないままに読み進め、そのうち話のポイントが見えてくるジワジワ感が好きです。

 

細かくたくさんちらばる伏線

会話口調の話し言葉で作られた文章。小説『カケラ』は、その中にたくさんの伏線が細かく散りばめられているところもすごいところです。

出てくる人物たちは、とにかくよくしゃべります。そんなしゃべりまくる内容の中には、どうでもいい話もたくさんあるんです。しかしその中には多くの伏線となるポイントも含まれています。話し言葉の中にシレっと出てくるのでわかりづらく隠れているという感じです。

途中で「さっき出てきた人が言ってたのがこのことで・・」みたいな感じで考えてしまいますが、深く考えなくても大丈夫です。最後まで読んだ後に、きちんとつながります。

登場人物が多いので、頭の中で軽く相関図を組み立てながら読むとわかりやすいと思います。

 

ズシンとくるラスト

ラストの衝撃度もすごいところです。なかなか予想はできないかなと思いました。

頭の中で全てがつながってズシンと来るような感覚です。登場人物達が話していた言葉は、一度読めばしっかりではなくてもなんとなく頭の中に残っているようで、「そういえばどこかで誰かが言ってたような?」みたいなことが「このことだったんだ!」とピタリと組み合わさるのです。

時系列も内容もぐちゃぐちゃに出てきた色々な言葉の意味が、最後にポンポンと組み合わさるのはとても気持ち良いですよ。

全てのパズルピースが勢いよくつながる感じです。

【ついつい読んじゃうイヤミス作】湊かなえ小説『カケラ』実写化は?

小説『カケラ』は、2023年3月現在、実写化についての情報はありません。

しかし、湊かなえさんの作品の多くはドラマや映画として実写化されています。

映画

  • 告白(2010年)
  • 北のカナリアたち(2012年)※『往復書簡』の「二十年後の宿題」が原作
  • しらゆき姫殺人事件(2014年)
  • 少女(2016年)
  • 望郷(2017年)
  • 母性(2022年)

ドラマ

  • 境遇(2011年 テレビ朝日系)
  • 贖罪(2012年 WOWOW)
  • 夜行観覧車(2013年 TBS系)
  • 花の鎖(2013年 フジテレビ系)
  • Nのために(2014年 TBS系)
  • 女性作家ミステリーズ 美しき三つの嘘 第1話「ムーンストーン」(2016年 フジテレビ系)※『サファイヤ』の「ムーンストーン」
  • 望郷(2016年 テレビ東京系)
  • 『往復書簡〜十五年後の補習』(2016年 TBS系)
  • 山女日記(2016年、2017年、2021年 NHK BSプレミアム)
  • リバース(2017年 TBS系)
  • ポイズンドーター・ホーリーマザー(2019年 WOWOW)
  • 落日(日時未定 WOWOW)

こうして見ると、かなりたくさんありますね。

『カケラ』は、2020年に刊行され、2023年1月に文庫化となりました。文庫化の次の段階としてはやはり実写化でしょう。これまでも多くの作品が映像となっていることを考えると、『カケラ』も今後、実写となる可能性は、かなり高いと考えられます。

湊かなえさん原作小説の実写映画やドラマは俳優陣もかなり豪華。もしも実写化となれば出演キャストも楽しみですね。




まとめ

【ついつい読んじゃうイヤミス作】湊かなえ小説『カケラ』紹介についてまとめました。

  • 小説『カケラ』は湊かなえさんによる作品
  • 小説『カケラ』は湊かなえさんならではのイヤミス作
  • 小説『カケラ』は湊かなえさんによく見られる特徴ある書き方・散らばる伏線・衝撃のラストが見どころ
  • 小説『カケラ』は実写化はされていない(2023年3月現在)

好き嫌いは別れるかもしれませんが、一風変わったミステリーを楽しみたいという人には、小説『カケラ』はとてもおすすめです。

ぜひあなたも湊かなえワールドを楽しんでみてください。




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