毎日の通勤電車の中は本を読むのが日課です。
ここではそんな読書タイムで読んだ『残穢』というホラー小説を紹介します。
「残穢」とは“ざんえ”と読み、人気漫画『呪術廻戦』の中で登場する言葉ですので聞いたことがある人も多いかもしれません。私もそちらから知って読み始めました。呪術~に出てくる「残穢」はこの作品が元になっているそうです。
ネタバレはしないように作品紹介、読んだ感想、ラジオドラマや映画についてなどを書いています。ぜひ読んでみてください。
小説『残穢』とは?
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- 作品名:残穢
- 作者:小野不由美
- ジャンル:ホラー
- 出版社:新潮社
- 単行本発行日:2012年7月20日
- 文庫本発行日:2015年8月1日
小説『残穢』は、マンションの部屋で起こる怪奇現象に迫っていく物語です。
物語の主人公は“私”という一人称視点で描かれており物語を読めば自然と、この“私”は作者の小野不由美さんだろうと考えられます。
“私”と同じく姓名は明かされない“夫”も登場しますが、こちらも実際の小野さんの旦那さんである綾辻行人さんだと思われます。その他にも実際に作家として活躍される平山夢明さんも登場しています。
2013年には「第26回山本周五郎賞」を受賞した作品です。また、『ダ・ヴィンチ』の「怪談オブザイヤー2012」では第1位を記録しています。
小説『残穢』を読んだ感想
小説『残穢』はホラー小説ですが、叫ぶような怖さのあるホラーではなく、じっとりと、そしてゆっくりと怖さが迫ってくる感じのホラーです。ハラハラドキドキではなく、静かにぞくぞくという感じですね。
ただ正直言うと物語がしっかり理解できたわけではありません。登場人物が多く、時代も古くまでさかのぼっていくので、この人は誰だっけ?とわからなくなってしまうこともよくありました。しかしなぜか恐怖だけはしっかり染みてきます。
読んでいてわからないなぁと感じる部分もあるかもしれませんが、半分を過ぎたころには怖いけど気になるから最後まで読もうと思ってしまう作品です。
このお話の恐怖の元は家にいる怪異です。そのため読み終わったあとはふと自分が住んでいる家について考え、思わずぞくっとしてしまいました。
マンションに出てくる怪奇現象から物語は始まりますが、マンションだけが恐怖にさらされるのではありません。戸建て住宅でも恐ろしいことが起こっており、分譲だって賃貸だってとにかく住んでいる場所自体が気になり怖くなってしまうお話です。
読めば読むほど心霊現象や呪いなんてものは全く信じていない私でも実際にあってもおかしくないかも。。と思ってしまいました。
完全なフィクションであるということも書いてはないので、実話なのかどうかも不明です。
紹介で書いたように、物語の主人公はおそらく作者である小野不由美さんです。そんなところも現実っぽさが出ていてよりリアルなホラーを感じさせてくれるお話でした。
小説『残穢』のドラマ化は映画化について
小説『残穢』はラジオドラマと映画になっていました。
ラジオドラマ『残穢』
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- 放送日:2014年1月18日 午後10時~午後10時50分
- 放送局:NHK FM(FMシアター)
- 出演者:南果歩、平岩紙、伊藤友乃、石河美幸、内田藍子、外山文孝、鈴木惠理、登澤良平、
原みなほ、高川裕也
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『残穢』は派手なアクションがある作品ではありません。出てくる怪異も音がポイントになっているものが多いので、音声のみを聞くラジオドラマというのはぴったりだと思います。
映画『残穢 -住んではいけない部屋-』
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- 公開日:2016年1月30日
- 監督: 中村義洋
- キャスト:竹内結子、橋本愛、滝藤賢一、佐々木蔵之介、坂口健太郎
- 主題歌:『Strong Fate』和楽器バンド
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『残穢』は映画化もされています。こちらも見た後に別記事で感想を紹介させてもらおうかと思ったのですが、あまりの怖さに開始15分で見るのをやめてしまいました。
15分間の感想は「映像にするとより怖い」ということです。私は無理でしたがホラー映像が大丈夫な方は映画版も見てみてください。
2021年4月現在、AmazonプライムやU-NEXTなどの配信サービスで見放題です。
まとめ
『残穢』は小野不由美さんによるホラー小説です。「キャー!」と叫びたくなるようなホラーではなく、じわじわとゆっくりと恐怖がやってくるという作品でした。
派手さはないですが、恐怖レベルはかなり高いと思うのでホラー系が苦手な人はちょっと注意が必要ですね。
過去にはラジオドラマにもなっており、竹内結子さん主演で映画化もされている作品です。
最近ハマっているゲーム実況動画でホラー系は慣れていると思っていた私ですが、比較にならないくらいの怖さがありました。
ホラーの中でもジャパニーズホラーが好きだという人には特にオススメですよ。興味があればぜひ読んでみてください。